初めての不妊治療8


1回目の体外受精手術は失敗に終わった。


やっぱり採卵で子宮に何回も針を刺したし、


体に負担をかけないよう


無麻酔だったから仕方ないけど、


飛び上がるくらい痛かったし、


実際飛び上がったし、


卵巣も腫れていて、


こんな私に移植されても、


無理だよ。。


と子宮からの声が聞こえるようだった。


私は子宮に、


ごめん


と謝った。


先生は、


残念ですが、、、


と結果を伝えたあと、


私の顔を見て、


ぜぇーーーっったい!!!

大丈夫だから!!!!

安心してくださいね。

次の卵で頑張ろう!!!


と勇気づけてくれた。


クリニックでの判定の帰り道、


遅いお昼を食べるため、


いつも行くルミネの和食カフェに向かった。


そしてカツ定食を10分で完食した。


そう。


私はもう前を向いていた。


その日から、

次の凍結卵移植に向けて


薬も飲まなかったし、


注射も全く打たなかった。


先生から完全自然周期で行きましょうと言われ、


酷使しすぎた子宮を1ヶ月休めることが出来た。


これはかなりありがたかった。


身体はどんどん元気になっていき、


湿疹もほとんど消えた。


そして極めつけに、


いけたんとサマソニに行けるくらい回復した!


本当に楽しかった。。。


そしてとても懐かしい気持ちになった。



2回目の体外受精移植手術当日。


やはり緊張した。


手術自体よりも、


前回のように

手術後体調が急変して


病院送りになったらどうしよう。


と術後の心配が大きかった。


朝一で採血をし、


移植に適しているホルモン値か検査をする。


ホルモン値が基準を満たしていたので、


移植が決定。


凍結卵を融かすのはお昼までかかると言われたので、


ずっと心配していただぃちゃんのおかあさんに連絡をとり、


早めのお昼をお誘いした。


だぃちゃんのおかあさんはすごく心配していたが、


私がホテルのローストビーフサンドを


おかあさんの分まで食べたので、


それを見て少し安心したようだった。


あとは、

前夜、競馬のジョッキーになった夢をみたことなどを


お伝えしたら、笑ってくれた。


そして、


太陽をたくさん浴びて帰りましょうという


謎の提案をしてくださり、


暑い中、少し遠回りで病院に戻った。


病院に戻るとすぐ培養士さんから


凍結から目を覚ました卵の説明があった。



「今回移植する卵ですが、


Aです!


Aとは、卵の状態を表したもので、


A〜Eランクまであるうちの、


最上級の100点満点の卵です!!


こちらが写真です。」


写真には


円球に足みたいなのが生えたような


ピクミンのようなものが写っていた。


形を見てもどのあたりがAなのかがわからないのですが、光栄です!

よろしくお願いします!


と問診室を出た。


私は、


なんか足みたいなのが生えていたような、、、うーん。


あれはなんだったんだろう。


もう足が生えたのかな、はやいな、成長!


いや、毛?毛かな?


いや、そんなわけないよな。。。


と悶々としながら、


手術室に呼ばれるのを待った。


個室のベッドルームでピンクの手術着に着替え、


手術帽を被った。


2回目だし、

さっきなんだか卵褒められたし、


今回は心の余裕があったので、


手術帽を被った自分を写メしたい衝動にかられた。


我慢した。


そして手術室に呼ばれた。


手術台から落ちないよう、


また足を固定される。


消毒などの準備が諸々終わると、


培養士さんが、


手術開始!の大っきい声と共に卵の状態をマイクで伝えた。


その後先生が、


「子宮内膜、○○ミリ!!」


と子宮の状態を伝えた。


私はまた震えていた。


こわくて。


でも大丈夫!!


頑張ってー!の励ます係の人がいて、


私の怖さを紛らわすように、


色々はなしかけてくれた。


その人が、モニターを見ながら、


「これは、めちゃさんの卵ですよ〜、、、、、あれ?なんだか足?みたいなのが出てますね!この卵、着床する気まんまんですよ!!」


と言ってくれた。


そうか、、、私の卵はやる気に満ち溢れて、足が生えたんだな!


と自分を納得させた。


励まし係の人が


はい!移植しましたー!


と言い、


1度機械が外された、、、

ふう、終わった。


と思ったら、なんかまた、


機械が入れられた。


みんな慌てている。


私は震えながら、


声にならない声で、


励まし係の人に、


はわっ、、、


はわっ、、、


と恐怖を訴えると、


先生が、


「血が出てきて止まらないので、機械で引っ張って止めます!」


と言った。


私が、また励まし係の人に、


はわっ、、、


はわっ、、、


と訴えると、


「大丈夫!すこーし血が出たみたい☆大丈夫ですよ!」


と笑顔で応えてくれたので、


信じることにした。


そして移植手術では本来入れられない止血ガーゼが入れられた。


震えながらベッドに戻り、


ピクミンの写真を見ながら、


血が出たことに動揺しながら、


天井をずっとみていた。


しばらくして看護婦さんに、


止血ガーゼをトイレで抜いてきてください。

血液量確かめたいから、

これに入れてね!


と、白いビニール袋を渡された。


私はびっくりした。


ビニール袋には、


急遽、私を落ちつかせるために看護婦さんが速攻で書いた


でっかいうさぎちゃんが書かれていた。


うさぎちゃんは速攻で書いたため、ギザギザだった。


うさぎちゃんのまわりにはお星様がいくつか書かれていた。


本当に感動した。


動揺した私を落ちつかせるために、、、、


止血ガーゼには多少血がついていたが、


思ったほど出ていなかった。


ギザギザのうさぎちゃんのおかげだ。




9につづく。